花間堂 温泉ホテル

中国無錫市郊外、陽山の麓で桃の木々が一面に群生する桃花島エリアに温泉ホテルを設計した。施主からは、温泉施設やお客同士が知り合える共用空間、66室の客室と管理用施設が必要とされ、また、お客が現地の文化に親しみながらお客同士が交流し、あらたな発見ができるような空間が求められた。

私たちは温泉棟を地域のシンボルである陽山に面するよう敷地の北西角に配置し、客室棟は、お客同士が知り合いコミュニティを形成できる規模の10室を1つの棟とし、温泉棟を起点として輪を描くよう7棟を配置した。
それぞれの棟は2階レベルに人工地盤をつくり、その上と下で全く異なる空間をつくった。人工地盤下の1階レベルは、外の庭園やランドスケープの自由で自然な要素がそのまま入り込むオープンな空間とし、そこにはレセプションを兼ねたリビングやバーやプレイルームやヨガルームなどの共有空間、そして貸切風呂を7つの村に分散配置して、お客が村をまたいで自然に自由に散策し、その中で新たな出会いや発見がうまれるようにした。一方、桃の木の樹冠より少し高めにつくってある人工地盤の上は10室のためのプライベートな空間で、春先には桃花の海面上に浮かんでいるような体験ができる、宿泊客だけの特別な空間である。
このような工夫によって、お客は地域の風土や緑を全身で感じながら、お客同士の自然な発見や交流をもたらせるようにしている。

場所中国江蘇省無錫市
主要用途温泉ホテル
延床面積21,337.72sqm
敷地面積55,136sqm
施主花間堂
設計期間2014年4月-2017年8月
状態竣工