大慶 都市左岸
中国東北地区、冬は最高気温-15度、最低-45度にもなる大慶市で、大規模集合住宅地区の設計を行なった。低〜中所得層向けのため、低コストでありつつ適正な基本性能を有することが求められた。
そこで、私たちは徹底した合理性による美しさを追求した。南向きの板状建物を並行配置する最も効率的な計画にすることで、東北の厳しい日照条件をクリアし、合理的な住戸プランを実現し、また全体の必要延床面積を確保した。しかし、それにより、東西に吹き抜ける強風が起こり、ガラス面から室内の熱を奪ってしまうという懸念が生まれた。
私たちは、ガラス面のある南北面にプロテクトラインと名付けた帯状の壁をガラス面から600mm飛び出させて連続配置させ、吹き抜ける強風による熱逃げを低減させた。プロテクトラインの中央にはスリットを設けてあり、高温度差による破損防止のために室外配管にする必要のある雨水管も仕込んでいる。
熱逃げ防止を目的としてつくったプロテクトラインが幾層にも重なるようすは、新しい景色を生みだしている。
場所 | 中国大慶市薩爾図区 |
主要用途 | 集合住宅、体育館、幼稚園、商店 |
延床面積 | 200,413.5sqm |
敷地面積 | 164,103.0sqm |
施主 | 大慶澳龍房地産 |
設計期間 | 2010年4月-2013年11月 |
状態 | 竣工 |
サインデザイン | 氏デザイン |
現地設計院 | 黒竜江省林業設計院 |
写真 | 廣松美佐江 |