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SHANGHAI 2035

場所

中国上海市

主要用途

都市コンセプトモデル

延床面積

6.34sqkm

施主

 

設計期間

2008年

状態

終了

其他

2009年。上海市の人口は出稼ぎ労働者650万人を含め約2450万人に膨れあがった。上海は今、13億人中国の経済牽引役を担うだけでなく、世界中の投資が集中し往来も急増し、居住人口は年30万人のペースで増加し、中央政府の戸籍改革政策によっては将来人口が5000万になるとも言われ、極端な貧富差と高齢化を抱え、世界最多数の高層ビルを保有しつつも建設はまだ加速し、高速回転し続けているという世界的に極めて特殊な状況にいる。

2008年のオリンピックから2年後になる来年の2010年には万博も開催され、それに併せて都市整備が行われているけれど、これは都市の魅力や生活に対して何か本質的な変化をもたらすだろうか?このままではきっとニュータウンの乱立とそのゴーストタウン化、都市の平面的巨大化、伴ったドーナツ化現象とスプロール化、そして都市魅力の喪失といった、20世紀的都市計画の失敗を全てそのままなぞってしまうのではないだろうか。

 

■上海・2035
いま、上海の将来像を描いてみる必要があるだろう。それは区画整備や道路計画先行の都市計画ではなく、上海の魅力や生活に根ざした新しい未来像。2035年の上海。万博開催の2010年から、人類の1世代が交代される25年後の将来をメルクマールとして、上海の魅力、生活、歴史、経済を活性化する新しい都市の像を描いてみる。

■立体ネットワーク
現在の上海が持つ魅力や生活に根ざし、都市をより活性化させるための立体ネットワークを構想した。この立体ネットワークは地上の都市と空中の都市の大きく2つから成り、都市の水平方向拡散による郊外化や高層ビルの建設による地上生活の破壊、緑化の減少を抑制するだけでなく、上空と地上の相互関係による交流の活発な運動を促進する。
数千棟という世界で突出した量の高層ビルを生かし、それらに内蔵されている大量の縦動線や各種設備を公共化および大量輸送化し、地上300mの上空に延長して、そこに新たな都市レイヤーをつくる。地上の緑や租界の歴史建築、各高層ビルの使用はそのままに、300m上空に新たな都市レイヤーを重ねる。それにより、今までは住宅やオフィスという目的地としての機能に限られていた高層ビルが、地上都市レイヤーと上空都市レイヤーを掛け渡す縦方向のインフラとしても機能しだし、インフラと建築、あるいは運動と目的といった区別ではなく、全てが運動であり同時に目的でもある高い運動性を持つ立体ネットワークが完成する。

■機能・交通
新たに設ける上空都市レイヤーには地上および縦方向につなぐ高層ビルの性格に応じて、住居から政府関連施設までのありとあらゆる機能が入り、地上の都市と相互補完関係を構築する。上空都市の主要ネットワークには自動車を存在させず、リニアバス等による公共交通動線および自転車や徒歩を主とする。上空都市のネットワークは、道路計画を基本とした地上都市交通と大きく異なるため、地上交通機関と空中交通機関の相乗効果が期待できる。既存高層ビルに内蔵されている縦動線を公共化および大量輸送化するのと同時に、地上と上空の主要地点に地上都市と上空都市を強く連結する縦動線専用棟を新設する。縦動線専用棟の地下には大規模駐車場を併設する。

■拡大
地上上海市の拡大に伴って、上空都市も拡大延長を行っていく。