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大慶都市左岸

場所

大慶市薩尔図区  

主要用途

高層住宅,多層住宅,双拼住宅,体育館,幼稚園,オフィス、商店

延床面積

200,413.5sqm  

施主

大慶澳龍房地産開発有限公司  

設計期間

2010年4月~2013年11月  

状態

竣工

其他

照明デザイン:角館政英、サインデザイン:氏デザイン

 夏の最高気温が30度、冬の最低気温がマイナス40度近くになる中国黒竜江省大慶市。

大慶都市左岸は市中心部を南北に貫く黎明河の東岸に位置し、主に低〜中所得層に向けて少しでも良質な住宅を提供することを意図して進められた、延床面積20m2に及ぶデベロッパー主体の住宅開発である。

全体開発の際に建築形式として求められたのは、商品住宅としては「3階建の戸建住宅を2つ連結して1棟を形成させたような双拼というタイプ」「6階建ての多層と言われるタイプ」「17階建てや27階建てといった高層」の3つであり、そのほかに幼稚園、体育館、商店などの付帯施設である。
敷地の入口は北側と東南角にあり、メインの北側の敷地入口より入ると、外来者も使用する体育館が正面に待ち受けている。体育館の側面を抜けると居住エリアに入り、南北に貫くメインの通りであるカーブを描く並木道を通り、各住戸棟へと向かう。
全体の棟配置においては、双拼は商品価値が最も高く購入者層が他と大きく異なるため、日照条件の最も良い敷地の東側および南側に配置し、多層と高層は採光を考慮して全ての多層と高層を南面させた並列配置をしており、高層の棟を北西角に集中させることで、より多くの住戸が川岸の開けた景観を享受できるようにしている。
多層と高層各棟の平面計画は、階段とエレベータのコアに対し2戸の住戸がブドウの房のように配置される単元式という方式を採用し、全住戸が南面北面するようにした。これは中国の「室内の通気を重視する習慣」を踏まえてのことでもある。また冬期寒冷対策のため、複数の単元を複数連結して一棟の建築にすることで妻側壁面からの熱逃げを減らし、ガラス開口部のある南北面については、プロテクトラインと名付けた縦に延ばした帯状の壁を開口面から550ほど飛び出させて連続配置し、東西に吹き抜ける強風が開口部から室内の熱を奪っていかないようにした。プロテクトラインの中央にはスリットを設けてあり、高温度差による破損防止のために室外配管にする必要のある雨水管を仕込んでいる。
熱逃げ防止を目的としてつくったプロテクトラインが外立面に幾層にも重なって現れるようすは、1棟の外観をつくりだすだけでなく、全棟が一体になって新しい景色を生みだしている。