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無錫桃花島、花間堂温泉ホテル

場所

中国無錫市陽山

主要用途

温泉,温泉ホテル

延床面積

21,337.72sqm

施主

花間堂

設計期間

2014年4月~

状態

施工中

其他
 

施主である「花間堂」とは中国の雲南省など地域の特色が強い地区で現地の風土をいかしたサービスを提供し、お客同士が自然に出会い、新しい交流や発見を生み出すことをコンセプトにしたペンションブランドである。その花間堂が無錫市に温泉ホテルをつくることになり、3社提案の結果、私たちの案が採用された。

求められた機能は、エントランスホールや客室70室の他に、浴場、150人収容の大会議室と20人程度の小会議室3室、レストラン、結婚式が催せる宴会場、Villaタイプの客室エリア、そして管理施設だったが、機能以外に何よりも強く求められたのは、宿泊客に自然な出会いや発見を与えられるような空間づくりだった。
与えられた敷地は無錫市の大陽山と小陽山に挟まれた桃花島公園の中、5つに分散している土地である。桃花島公園は全国的に桃の産地として有名で、至る所に桃の木が植えられている。

私たちはまず、5つの分散した敷地に対して大きなエリア分けを行った。5つの敷地のうち、東側の幹線道路から最も離れていて公園内でも水系によってプライバシーを確保しやすくなっている南西の敷地を客室ゾーンとし、市民もアクセスしやすい公園中央の敷地にはレストランを配置。北側の接道している敷地には会議や結婚式の来訪客の利便性や、各敷地への管理距離が最も短くなることを考えて、エントランスホールや会議そして管理施設を置き、残りの東側2つをVillaエリアとした。

空間デザインにおいては、花間堂のコンセプトをより強く実現させるために大きく3つのことを考えた。
1)自然との呼応
家のリビングにいるようなリラックスではない。でも高級ブティックにいるような緊張感でもない。自然体でありながら非日常。これを実現させるため、空間構成において自然との強い呼応を心がけた。それはたとえば、エントランスホールや大浴場から大陽山に向かう強い軸線であったり、桃の樹冠の高さに合わせ、全て2Fに配置した客室であったり、小舟でエントランスホールから客室エリアに向かう体験であったり。
2)肌に馴染む素材の追求。
お客同士が自然体で交流するためには、ツルピカの新建材はもちろん、奇麗に磨かれた石材などでは相応しくないと考えた。そこで私たちは公園内に多く茂っている竹を型枠にした不均質で荒い質感のコンクリートをつくり、全面的に使用することとした。磨かれたようなコンクリートや石材などと異なり、荒々しい砂としてのコンクリートが新築特有の緊張感を消し、ずっとそこにあり続けたかのような落ち着きをつくる。その年月性に囲まれることによって、より自然な交流が生まれる。
3)散策したくなるような仕掛け
南西の客室エリアは、宿泊客が部屋に閉じこもらないで外にでて散策したくなるような仕組みを散りばめている。それはたとえば、70室を7ユニットに分散させ、1つのユニットを小さな集落のようなスケールに落として宿泊者同士の距離感を縮めたり、客室を全て2Fに設けたプラットホームの上に乗せることで、1Fは全て共用空間にしてあり、そこに足湯やバー、ショップやライブラリーといった機能を分散させ、ユニットごとに特色をつくり、他のユニットを覗いてみたいと思わせるようにしたり。

これらの工夫により、宿泊客に常に自然な発見や交流をもたらすようにしている。2016年年末のオープンを目指して施工中である。